Top Message 社長からのメッセージ
何のために「変わらなければいけない」のか?
経済的・社会的格差の拡大と地球環境問題の深刻化が、現代の大きな課題だと言われます。そして、それを示唆する現象が、さまざまな形で、またあちこちで、我々の目の前に現れ始めています。もしかしたら、現在直面しているパンデミックも、将来そのような文脈の中で語られることになるのかもしれません。人類は常に環境変化への対応に追われてきましたが、近年その激しさは増すばかりです。変化の速度と大きさに翻弄され、遂には耐えきれなくなるのではないかという漠然とした不安を、多くの人たちが感じ始めているのではないでしょうか。
「我々は変わらなければいけない」とよく言われますが、「何のために」がいまひとつはっきりしません。「生き残るため」と言うのであれば、「何のために生き残るのか」を問わなければなりません。今一番大切なことは「変わらないもの」を自らの心の中に持つことではないでしょうか。有史以来、幾多の戦乱や激動の時代を乗り越えてきた人類普遍の原理原則や哲学を学び、それを知識としてだけではなく実際の生活や仕事の中で活かし、体得してくことが必要なのではないでしょうか。
さまざまな境遇にある中で、何を大切にしていけば良いのか、自分が人生をかけて追い求めるものは何なのか、そもそも何のために働くのか、さらには自分とは何者なのか。こうした基本的なことを自らに問い続けていく中で一人ひとりが成長していく、押し付けられるのではなく自ら主体的に学び成長していく。タケショーは「人材の成長を優先して考える」ことを経営方針としています。
タケショーがめざす姿と「食の花束」
タケショーが存在する理由は何なのか。なぜこの事業を行うのか。そして、事業を行う中で社員一人ひとりが大切にするべき原理原則とは何なのか。我が社の企業理念である「食の花束」は、一人ひとりがそのことを考える手がかりとなるものです。そして、この「食の花束」という言葉に何かを感じ、共感した人たちが、毎年入社くださるのだと思います。
したがって、タケショーに集う人たちは、個性的な人が多く、出身地やバックグラウンドも多様ですが、どこか共通するものがあり、お互いが心の奥底で共感し合える人たちだと考えます。その一人ひとりが、素晴らしい仲間の役に立ちたい、仕事を通じて出会った尊敬できる人たちの役に立ちたい、そして、社会や地球全体が直面するさまざまな課題の解決に貢献するべく、自分自身が成長したい。このことをモチベーションとして日々仕事に向き合っています。
「食の花束」という共通の理念・価値観を持った仲間たちと、安心して本音で語り、悩みを打ち明け、弱さを見せ合い、時に励まされ、時に支えられ、時に良きライバルとして、お互いの成長を確認しあえる会社。人間の成長とは何かを突き詰めて考え、自分の成長だけではなく仲間の成長についても真剣に語りあう会社。…そんな会社をタケショーは目指しています。
それでは、タケショーが掲げる企業理念「食の花束」とはどんなものでしょうか。私たちは、「食の花束」を支える三つの精神として「自立」「他者への貢献」「協調」を掲げています。いずれも小中学校でよく聞いた言葉だと思います。自分自身が人生の主人公であり、自分という存在が他者に依存しているのではなく「自立」していること。何事も自分本位ではなく相手に対して思いやりを持ち「他者への貢献」ができること。持論に囚われることなく多くの人たちと共感・協力し合うことで個々の力を超えた大きなことが実現できるという「協調」を体得していけること。この三つの精神が「食の花束」の理念の基本となります。
理念の実現のために
社員一人ひとり(無論社長も社員の一人です)を花の一輪と考え、その花の一輪一輪が力を合わせて創り上げるものが「食の花束」です。そして、その「食の花束」を創り届け、多くの人たちの役に立ち、喜んでもらえる、そのことで自分自身が存在している意味を感じることができる。多くの人たちと共に素晴らしい「食の花束」を創ることに自分自身が主体的に参画しているという実感を得られることが、その人の人生を「明るく豊かで幸せ」にするのではないか。そんなことを私たちは真剣に考えています。「食品開発の共創パートナー」という新しい事業モデルへの挑戦、高齢者の健康と栄養を考えた食品開発や最先端の「おいしさの科学」の追求、研究機関へのソリューション提供、それらは全て「食の花束」の理念の実現のためです。
そして更なる理念実現のため、2019年初めよりベトナムのカントー大学との共同研究を開始し、食品残渣を含む農業資源や水産資源の有効活用に取り組んでいます。いよいよ2021年秋より東南アジアメコンデルタ地域の発展と食糧問題解決に貢献するため、タケショーフードベトナム カントー工場を稼働させる運びとなりました。是非、皆さんにも花の一輪に加わっていただき、共に成長し、共に「明るく豊かで幸せ」な人生を目指したいと心から願っています。